キズナアイとバーチャルYoutuberは、なぜ突然ブームになったのか？ 数値で流れを追ってみた！

VTuber(バーチャルYoutuber)

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2017年12月とあることをきっかけに、爆発的に日本国内で大流行したバーチャルYoutuber(以下VTuber)。その代表ともいえるキズナアイさん(@aichan_nel)やミライアカリさん(@miraiakari_prj)・シロさん(@siroyoutuber)・輝夜月さん(@_kaguyaluna)・ねこますさん(旧@Nek0Masu 現@kemomimi_oukoku)が爆発的に流行ったのかをTwitterのスレッドをブログに書き上げたものです。

 

 

 

きっかけ

 

まず話を初める前にアイコン動画館様の作成した動画をみてほしい。

とてもとてもとても良くまとまっていて2018年3月までのVTuber全体を俯瞰できる。

youtu.be

 

なぜキズナアイは海外で流行ったのか？

第1の矢(海外で流行していた大先輩)

さてココから本題。

ふと常日頃VTuber絡みのコメントを読んでいると、”キズナアイさんは初めは海外人気が強く日本人のり遅れてた”とか”初音ミクととキズナアイでなぜ差がついたのか”なんてコメントを見かけた。それはチョイと違うんじゃないかと考えてる。

まずはGoogleトレンドとBaidu(中国)のデータをみてほしい。

(下記はGoogleで検索されるキーワードがどれぐらいあるかを割合で示すグラフ)

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注目してほしいのは2016年12月に少しグラフが上昇している所。

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キズナアイさんが活動をはじめたのは2016年11月29日でYoutube・Twitterです。

そんでもってキズナアイさんが活動を初めたての頃は日本語での交流が大半でした。ところが2016年12月29日あたりから英語でのリプライが目立ちはじめます。

この日に何があったのかなーと思い出すと2016年12月23日からTda氏監修のキズナアイMikuMikuDance(以下MMD)向け3Dモデルの無料公開でニュースリリースがだされた日です。

 

 

また、注目すべき点がリリースされてから数時間後におきています。

なんと中国でその日のうちに翻訳されてニュースになっているのです。無名のYouTuberですよ？ いくらバーチャルしてるからって、2011年からVirtual Vloggerとして活動しているAmi Yamato(@amiyamato)さん*2がいるはずなのにです。

 

さらに興味深いポイントがあります。

MMDが23日に公開されて日本のMMDerもTwitterやYoutube・ニコニコ動画へ25日に投稿していたのだが、なんとYahooニュース23日10時からその日の20時にrongsamaさんがbilibiliにキズナアイさんのMMD動画を投稿していてたのです。rongsamaさんがどういう方か自分は知らないのですが、Pixiv作品やYouTubeの100万再生動画をみるかぎりでは、MMDが好きな中国MMDerだと考えられます。

※個人的にちょい気になるのはキズナアイさんの動画がbilibiliにしかない点

【MMD】TDA式初音的「Classic」_哔哩哔哩 (゜-゜)つロ 干杯~-bilibili

 

またオランダMMDer FabrunetteさんもYouTubeに3日後に投稿しています。

【MMD】Marine Bloomin' 【Kizuna Ai】60FPS - YouTube

 

何が言いたいのかというと、日本語でしかリリースがだされていないのに、海外の注目のされかたがすごいのです。これだけ注目されたのはこれは「バーチャル」×「Youtuber」という流行しはじめた技術に「日本アニメ」×「kawaii」×「初音ミクな(ボーカロイド)」×「MMD」×「Tda式」という海外でうけている日本の文化*3がモリモリにかけあわされていたからこそおきた現象だと考えています。 

 

さて、なぜキズナアイが流行ったのか？ 第1の矢は技術者に見つけられたことです。

 

 

第2の矢(流行に敏感なやつら)

ココに関しては、木村すらいむ(@kimu3_slime)さんが「キズナアイ、海外人気なぜ？ チャンネル100万人突破までの道のり | 文脈をつなぐ」できれいな調査を書かれているのでかぶってるとこは割愛！

もいっこニコニコ動画で、ところてんです(78117123)さんの「[改訂版]バーチャルYoutuber界隈の歴史【16/12/01～17/12/01】 - ニコニコ動画」でも海外のニュースが網羅されてます。コッチも時系列が丁寧なのと理由が書かれているのでオススメ。

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 で、まず2月中頃の上昇これはキズナアイさんが韓国動画サイト「tvple.com」に転載されたことが影響しています。細かい点は先程の2つで紹介されています。

 

 

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次、4月の黄色の山は要因が色々あります。

1つ目、海外のニュースサイトで一斉に取り上げられはじめる。

「[改訂版]バーチャルYoutuber界隈の歴史【16/12/01～17/12/01】 - ニコニコ動画」

＃3:02ぐらいに取り上げられています。

 

2つ目、AnimeJapan2017(3月23～26日)。海外からの来場者から注目が集まっています。

www.youtube.com

 

3つ目、海外YouTuberに一斉に取り上げられています。

3月26日(チャンネル登録者数134万人のTheAnimeMan)

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The Next YouTube Star Is... A Virtual Anime School Girl!? (WTF Japan) - YouTube

 

3月30日(チャンネル登録者数7000ちょいのAnimeTaichou)

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THE NEW YOUTUBE SENSATION... IS A VIRTUAL ANIME VLOGGER | Anime Vlog - YouTube

 

4月1日(チャンネル登録者数300名ほどのCalifornian in NYC)

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REACTING TO YOUTUBE'S FIRST VIRTUAL YOUTUBER: AI-CHAN - YouTube

 

4月5日(チャンネル登録者数1300万人のGood Mythical Morning)

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Are Virtual Vloggers the End of YouTube? - YouTube

 

4月6日(ロシア語字幕の転載動画があげられる)

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ПРИЯТНО ПОЗНАКОМИТЬСЯ! Kizuna Ai #00 (русская озвучка) - YouTube

 

4月11日(チャンネル登録者数10万のLoliconics)

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HAI DOMO VIRTUAL YOUTUBER KIZUNA AI DESU - YouTube

 

4月23日(チャンネル登録者数120万のLost Pause)

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THE NEW RISING MEME VIRTUAL YOUTUBER KIZUNA AI - Ask Noble Senpai - YouTube

 

一言でまとめると第2の矢は流行に敏感なギークやオタクに見つけられたことです。

 

 

VTuberはいつからスタートしたのか？

さてココからはキズナアイさんから視点を変え、国内のVTuber達を見ていきましょう。

www.nicovideo.jp

 

live.nicovideo.jp

第一世代VTuberは、ブームが始まるかなり前から頑張って準備(アイコン動画館様の動画を参照)していたようです。

 

キズナアイさんが急上昇したのはいつか？

さてここで先程はりつけたキズナアイさんのGoogleトレンドに注目してみましょう。

 

まず11月26日に反応が来て、12月1日から急上昇、12月3日にピークがきています。

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まず11月26日の変な反応。

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ゲーマーズ！×キズナアイのコラボCMです。自分の記憶だとアニメ「ゲーマーズ！」はニコニコ動画でもトップを競う人気アニメだったと記憶してます。放送は終わっていますが、今までみたことのない3DCGキャラが1,2を争うアニメのTVCMにでていれば誰だって気になって検索したくなっちゃいうものです。

 

そして26日からこのような動画が密かに投稿されはじめるのです…。

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さらにTwitterではKizuna Aiの「ふぁっきゅー(英語：fack you、中国語：花Q)」が大流行。

 

 

そして次は12月1日から急激に上昇しはじめている点。

ここで私ぴーんときたわけですよ…。

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そうニコニコ動画で爆発的に再生された動画があったわけなんですよ。

ただこの動画投稿日は2016年12月1日なんですよ。おんやぁ…おかしいですね？

ニコニコ動画でも再生数は伸びていましたが、Googleの検索数を爆発的に伸ばすほどの効果はないはず。

 

つまりどこかで爆発的なブームがおきているわけなんですよ。

さらにピーンときちゃったわけですよ。こんな変な爆発の仕方をするのはTwitterしかない。ここで先程のTwitterのリアルタイム検索です。

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コチラも12月1日から伸び始めてますね…。ニコニコ動画の投稿30分前なので、ほぼ間違いないでしょう。

 

で、ですよTwitterやニコ動でバズるたりしている動画があればそういうのに便乗したくなるウェブサイトがあるんですよ…。

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俺的ゲーム速報@JIN(刃)ですね。個人的にはこういうサイトはあまり好かぬのですが、人の欲望をくすぐるようなネタを集めてくるため、ニコ動やTwitterとはまた違ったユーザーを呼び寄せてくるんです。

 

ということは、皆が12月1～10日にかけてtwitterや掲示板でワイワイ騒ぐわけです。ネットで長期間騒がれるような美味しいネタをのニュースサイトがほっとかないわけ。j-cast「「バーチャルYouTuber」ブームの兆し　人気キャラ「キズナアイ」は再生5900万超」＆そして幅広い層がみるYahooニュースに掲載。タイトルもブームの兆しなんていう皆が飛びつきたくなるような煽りタイトルなわけなんですよ。そしたら気になって仕方がないから検索する検索する…。

※この記事でミライアカリさん、シロさん、ねこますさんが掲載されている。

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 と、ここまでくれば後は流れでグングンとキズナアイさんの知名度が伸びていったわけです。

 

 

 

VTuberはいつ急上昇したのか？

ここからは四天王にしぼって分析していきます。

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シロさんは参考程度なのでデータが不十分なのですが、全員が2016年12月20日から急激に上昇しはじめています。つまりこの時期に全員を知ることができる何かがあったわけです。

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バーチャルYouTuberよくばりセットです。いまはいろいろ都合があって削除されてしまいましたが、紹介されているメンツは掲載されているリンクでも分かるように、レジェンドなメンツしか並んでいません。

 

なぜ、ねこますさんはヒットしたのか？

バーチャルのじゃロリ狐娘(きつねむすめ)Youtuberおじさん こと ねこますさん。この方は他のVTuberとは違った注目をTwitterでされています。

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なぜか12月7日から軽めに伸び始めています。

 

なぜでしょうか？ 調べてみると…。

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なんと動画投稿されはじめてから、ざわかれ初めているのです。ただ不思議なのはいくらインパクトのある人だからといって、すぐには話題にならないはず。つまりなんらかの活動をされているストーリーをもった人なのでは？

 

と、VTuberガチ追い勢こいぬ(@Qkut1200C)さんから情報提供。

なるほど。

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また、ねこますさんのタイムラインを深掘りしていたら何となくわかってきました。スキルあるのは動画で見たら一発で分かりました。シロのじゃのコラボ配信のオタオタ感でコミュ力なさそうに見えていたのですが、TLを見るとネットではバリバリのコミュ強な技術系オタクとわかってきました。

で、ニコ生で技術を駆使して配信する先駆者みゅみゅ教授と配信したり、HTCViveを迷わず購入してVRChatで活動して仲間やファンが回りにいたことが、モデルを公開した時に大きめのRTやファボをもらっている理由だとわかってきました。

で、バーチャルな世界で生きていくことを楽しみながら考えて、モデル作成しながら考えてて、コンビニバイトをしながら考えて、とタイムラインを掘り下げていくと ねこますさんが ラッキーパンチではない方だとようやくわかってきました。

 

TwitterでのVTuberブーム爆発の仕掛け人

さて、ここで少し話がそれるのですが、キズナアイさん達を爆発的にヒットさせる要因を生み出した人がいます。にゃるら(@nyalra)さん とかいうなかなか最高に良い具合に頭のぶっ飛んだライターさんがいます。詳しくはブログ・ねとらぼ・pixivの記事を読んでみてください、すぐに分かります。

で、にゃるらさんなのですが、2017年4月ぐらいからTL上ではバーチャルYoutuberキズナアイさんに目をつけていました。

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5、7月にも…。

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で、そんなこんなで2017年11月3日にキズナアイさんの紹介記事が投稿されます。フォロワーは当初の数字は覚えていませんが、少なくとも1～2万弱はありました。

www.pixivision.net

 

 

ねこますさんがいち早くつぶやかれていた理由

で、ここで話がねこますさんに戻るのですが、ねこますさんにも発信力はあるわけで、にゃるらさんもヤバイ具合にそれを見つけてくるネットワークを持っています。でバーチャルYoutuberで面白いやつがいる、そこでにゃるらさんに目をつけられていた。

 

でもって、ようやくココで12月7日ほどから疑問に思っていた点が解決につながっていきます。12月1日キズナアイさんが爆発的に広まっていく中で、にゃるらさんが12月5日にねこますさんの記事を投稿するわけです。なんてジャストタイミング！　悪魔的、いや鬼がかってるとしか思えない。

やばいわ…やばいわ…やばいわ…。

 

と。

 

とにかく、ただの総受けなカワイイろり狐娘おじさんかなと思ってたけど、ねこますさんは積み重ねてきた技術や知識がキッチリしてるやべーやつなわけなんです。

さらに当時動画の中で、モナコインを投げ銭されたりと、偉い人に注目されてんだなとしか思えない話がゴロゴロ。

この先、熾烈なバーチャルYoutuber戦争が繰り広げられるだろうけどスンナリした顔で生きてけそうだと感じました。仮にどこかでキャラクター性で失敗しても、技術を活かした道で生きてけそうな人です。ツヨイ！

 

と、まあ最後に感想文みたいな終わりになってしまいましたが、このような偶然もありあながらも各々VTuberが精進していたからこそ、ここまで爆発的なブームになったんだと強く強く感じました。

 

以上すらでした(*´ω｀*)

 

オチ

Q.あれ、このネタ2017年12月末には材料すべて揃ってたよね。なんでここまで時間かかってんの？

A.VTuber沼にハマって抜け出せなかったんです…。

 

 

*1:Google検索結果にインデックスされた日付

*2:キズナアイさんも初期の頃はアメリカでVirtual Vloggerとして紹介されていて実質先駆者といっても過言ではないです

*3:HATSUNE MIKU EXPO 2018 USA & MEXICO, 【 Stardust 】 Bilibili Macro Link 2017 《Debut Stage》 Vocaloid Live Concert - YouTube